この二ヶ月はこの作品に付きっきりでした。

5/末になんとか完成できました。
描き上げるのには二ヶ月かかりましたが構想を入れると1年以上はかかりました。
桜🌸が咲き始めるのは毎年3月の末あたりです。
私の住んでるところは日本一の🌸桜回廊で有名なのですが、
毎年その時期には見事な回廊を散歩できます。
その桜を毎年どんな感じで描いていこうかはずっと以前より構想は練っていましたが、
桜は繊細で、考えてるうちに散ってしまいます。
又日本人なら誰もが知ってる花でもあり変に描くとすぐわかってしまいます。
と、考えてるうちに又年は経ってしまいます。

会社員時代は毎年3月末ごろに故郷の山口県に帰省していました。
実家の庭の枝垂れ桜やその時に家族で隣市にある岩国市の錦帯橋に花見に行っていました。
川にかかる橋を取り囲むように咲き誇る満開の桜でした。
その頃の思い出は今でもしっかりと記憶にありますよ。
そうだ。あの風景を描いてみようと思ったのです。
何気ない花見の散歩の記憶だが、描き溜めておいたスケッチを取り出しました。
そのラフスケッチを元に家のアトリエでは、先ずは構図や構成を考えていきます。
次に下図、下絵を描きます。それに合わせて色味を考えながら色出しを行い、
色見本を作成していくのです。

試し塗り、試し描きをしながら様々な描き方に挑戦してみます。
僕の場合は、どうも日本の風景には国内の水彩絵具。
海外の風景画は海外の絵の具が相性が良いみたいです。
描く絵に合わせて筆のタッチや技法も考え抜きます。
いつもの休憩(息抜き)時間にはそこら辺を散歩をしてみるとある日、
そこには、🌸桜吹雪が舞っていました。
すごいな~、綺麗だな~と感じながら。
これが描き上げられたらな~と思いました。

下図は原寸で描きます。
今回はB3大でほぼ10号サイズのやや大きい紙面です。
毎回水彩紙を水張りしてピント張った紙には緊張感があり
さぁ、描くぞ。と気合が入ります。
やっと、いよいよ本画に移ります。
下絵を見ながら描き上げていきますが、ここでも構成を考え色味本を合わせながら丁寧に描き込んでいきます。
桜を描くのは「桜に見えるように描くこと」です。
そこには記憶の花もあります。
一輪一輪🌸花が咲いてるのを感じながら、そして散り際の花びらも丁寧に。
根気との勝負ですが。全く苦になりません。
描く場合には私だけの技法もあります。
これは自分で編み出したものでもあるのですが、浮世絵の技法が元になってもいます。
以前、イギリスで浮世絵を見た際に、本物の浮世絵は✨雲母刷りで輝いていました。
これにヒントを得た✨キラ塗りで水面に光感を塗ります。
そして、いよいよ完成間近になるとタイトルも考えてみます。
今回は『ブラッサム~夢、咲き誇れ。』にしました。
今年の秋には故郷での個展が待っていますが、そこにもこの🖼️作品を展示します。
そして、展示会期には「夢かけて描く」というテーマでギャラリートークも行います。
故郷の夢を描く子供達や皆様にエールを贈る。そんな気持ちも込めました。
それだけにこの作品には思い入れもありました。

完成した作品を眺めながら、ふと思いました。
皆さんは、この絵をご覧になると「桜の細かさ」に驚かれます。
確かに、🌸一輪一輪 丁寧に描き込みました。
けれど描き終えてみて気づいたことがあります。
私は🌸桜の花を描いていたのではなかったのかもしれません。
毎年春になると妻と歩いた🌸桜回廊。
気がつけば35年以上になります。その年ごとの景色や思い出。嬉しかったこと。
苦しかったこと。諦めそうになったこと。
それでも前を向いて歩いてきた時間。
私はその積み重ねを、一輪一輪の桜に重ねながら描いていたように思うのです。
だから、この作品を最後まで描き上げることができたのでしょう。

「この旅路を共に歩んできた人へ。」
🌸桜は毎年咲きます。
人の夢もまた、何度でも咲かせることができる。
『ブラッサム──夢、咲き誇れ。』
このタイトルは、桜への言葉であると同時に、
自分自身への言葉でもあったのかもしれません。
さぁ、会場でお披露目して、観てくださる皆さんの反応も楽しみです😆
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