1年半の準備を終えて、故郷・防府へ

今日、故郷・防府へ向けて、個展で展示する絵画や制作物を何とか無事に発送しました。
梱包を始めて約1ヶ月。
ギリギリまで制作していたものもあり、結局、発送の2日前まで梱包作業が続きました。
そして今日、作品たちが旅立ったあとの部屋は、ガラーンとしています。
いつも壁に飾ってあった絵がない。
こんなにも寂しいものなのかと、改めて感じています。
思い起こせば、今回の企画を故郷・防府市へ持ち込んだのは、約1年半前のことでした。
最初は、もっと気軽な気持ちでした。
一週間くらい展示して、母や旧友、そして故郷の街の皆さんに、自分が描いてきた絵を観てもらえたら―。
そんな思いから始まった個展でした。
ところが昨年の夏に帰省し、防府市文化協会の皆さんとお話を重ねていくなかで、
今年が防府市制90周年という節目の年であることから、その記念事業の一企画展として開催したいというお話をいただきました。
会期も延び、展覧会の規模も大きくなりました。
嬉しい反面、それだけに責任も感じるようになり、さらに会期中には、トークとスライドレクチャーも行うことになりました。
絵画をご覧いただくだけでなく、「夢に向かって歩み続けることの大切さ」
「表現を続けることの力」そんなことを、これまでの私自身の歩みと作品を通して、
お話しさせていただこうと思っています。
正月、夏と帰省するたびに打ち合わせを重ね、遠方ということもあって、
この3ヶ月ほどはリモートでも準備を進めてきました。

展覧会全体の工程を考え、スケジュールを組み立てる。
ポスターやチラシ、会場で使用するさまざまな制作物、宣伝に関わるものまで、今回はほとんど自分で制作しました。
こうした作業をしていると、資生堂時代の長年の実務経験が、今になってとても活きていることを感じます。
現役時代を思い出しながら、楽しんで制作してきました。
とはいえ、やはりプレッシャーもあったのでしょう。
準備を進めるなかで歯が痛くなったり、1ヶ月ほど前にはとうとう右腕まで痛くなったり……。身体は正直です(笑)。
そして準備も大詰めを迎えた頃、学生時代から長くお世話になってきた恩師が亡くなられました。
今回も個展のことをギリギリまで黙っていて、完成した新しい作品集を持って先生のお宅へ伺い、「先生、こんなことになりましたよ」と、びっくりさせようと思っていたのですが・・・その矢先のことでした。
先生に届けようと、一生懸命つくっていた作品集。
「もう少し早く完成していれば……」その思いは、今も残っています。
訃報をいただいた翌週、ようやく画集・カタログが完成しました。
先生のお宅へ伺い、「遅くなりましたが、ご報告に来ました」と手を合わせました。
すると、いつもの先生の叱咤激励の声が、どこからか聞こえてくるような気がしました。
先生の周りに『天使の旅』のカードを並べると、まるで天使たちが先生を囲んでいるようにも見えました。

そして今日。朝まで雨が降っていました。
空を見上げながら、「どうか作品が濡れず、無事に搬出できますように」とお願いしました。
すると、どこからともなく一匹の蝶🦋が飛んできて、私の周りを舞い始めました。
しばらく離れようとせず、まるで何かを囁いているようでした。
「任せておいて。大丈夫だよ」そんなふうに言ってくれていたのかな。
先生だったのか。それとも、天使が姿を変えてやって来たのか。
もちろん、本当のことはわかりません。
でも今日の私には、そんなふうに感じられました。
そして搬出は、無事終了。3ヶ月以上かけて準備し、1ヶ月近くかけて梱包した荷物も、プロの配送業者さんたちの手にかかれば、積み込みはわずか10分ほど。
さすがです(笑)。

今週末には大学の後期授業も始まります。
授業では今回のレクチャーのデモも行い、故郷まで観に来ることのできない学生たちにも見てもらって、
感想を聞きながら最後のブラッシュアップをするつもりです。
そして、その翌日。いよいよ私も故郷・防府へ向かいます。
振り返れば、1年半。長かったようで、本当にあっという間でした。
ここまで来られたのは、文化協会の皆さんをはじめ、準備を支えてくださった多くの方々のおかげです。
もう準備は、ほぼ終わりました。
あとは――思いっきり、故郷の皆さんとこの展覧会を楽しんでこようと思います。
たくさんの天使たちと一緒に。👼
