20 Feb
20Feb

「カレッジ・オブ・デザイン」のチャレンジ

3年前に前職場を無事に退職し、独立してやっていく事になったのですが、丁度コロナ禍に突入していく時期に重なりこの先どうなることやらとも思っていたのです。

まぁ、これを機にじっくり自分の家を自ら設計デザインし、建て替える事にしたのです。

「家」は何とか無事に完成しました。

其の頃、外出がなんとか出来る時期になり、昨年の月より、縁あって都内の大学、大学院で教鞭を執る事になったのです。

美術系では無い一般の大学・経営学部でデザインを中心とした「ビジュアルアート」の授業を受け持つのです。

「カレッジ・オブ・デザイン」のチャレンジでもあるのです。

急でもあり半年間の準備期間をじっくり貰い、後期からの授業開始になりました。会社員時代は、デザイン実務で過ごしてきて「教える」事には全く余裕も無かったのですが。と言うより、後輩達に教えていくのに精一杯。

空いた時間には色んなアイデアを想像したり、街や旅に出たりして過ごす事も何よりも大切でした。

辞める際には35年間の会社員としてのデザインは、やり尽くしたと言う達成感もあったのですが・・・。

学生時代にしか得ることのできない心を揺さぶられる授業

では、大学では何を一体教えていくべきなのか、その授業の中味やシラバス、展開は全て自由で、考えるのにも熟考しました。

自分に出来ることは、今までの経験値を活かしていく事しか無いのですが、果たして過去に執着しない自分に何が出来るのか⁈自問自答の日々でした。

「デザイン」と言うものに対して自分の学生時代を改めて思い起こしてみました。

こうして今の自分があるのは何のお陰なのか、 そして 自分にとってのコンフィデンスは大学時代の恩師との出会いと前の職場の資生堂のクリエイティブで、デザインの頂点の現場でプロフェッショナルな人達と実務を活かす事が思う存分できたと言う事だったのです。

様々な人の書籍も読んで来ましたが、今も記憶に残っているのは普遍的な事が論じられている、実際にアートやデザイナーとして生きてきた人達の本や作品集だったのです。

後期15回(5ヶ月間)の授業に半年間の準備期間でした。

「学生時代にしか得ることのできない心を揺さぶられる授業」を目指したいと思ったのです。

MCパワー誕生

2020年、退職時にはコロナ禍で全社員が出勤停止&フルリモート状態。寂しい退職だなぁと感じたのですが。

そんな時、数日後、突然、部内の皆さんからのメッセージやら多くの寄せ書きが届いた時はびっくり、胸に迫るものがありました。

読み返してみて思ったのは結局は、この「部をデザインした」のだと言う「情誼」が湧いてきたのです。

そして閃いたのは、

授業でもこの「自分の部をデザインした会議体やミーティングメソッド」を取り入れてみると言うことでした。

これはデザイナー、非デザイナー職のメンバー全ての人が順にMCになる「HBK」と言う本部会と言いました。 メンバー皆で考えてhonbukaiの3文字を取ってHBKにしました。 そして「MCパワー」と名付けました。

MCは、マスターオブセレモニー(master of ceremony)の略であるように、 全体の支配者で、「仕切り」などの要素が意味合いとして強いのですが、

出演者たちの個性を尊重して、その能力を引き出しながら、全体を指揮する人のことです。

「一人一人が中心となり、部の仲間達やメンバーを巻き込んでいき、自信をつけてどんな世界でも挑戦していけるコンフィデンスを身につけること」

そんなambitionがあったのです。

そして2022年1月には部は会社から独立したのです。


情誼の尊さ

最後に述べたのは

「わたしの授業テーマの「真実のデザイン」とは、「自分の人生をデザインしていく事」prideーその仕事に誇りが持てるかでした。

そして、「自分に嘘をつかず、誠実に向かい合って良い仕事を重ねていく事」と言う言葉で締めくくったのです。

生徒さん達にも社会人として誠意を持って付き合っていく心情

人と付き合うときの心情の尊さー【情誼】を伝えていければと思ったのです。

 最後は、私の描いた絵の前で皆で記念写真を撮ったのですが、 皆さんが最初に比べ逞しく又誇らしげに良い表情になってることが やってきて本当に良かったのだと思えました。

「家」を建てることと人生を組み立てることは似ています。 「教育」もそうなのだと実感したのです。 しかし、疲れました~。



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